2007年 08月 02日
毎日目の前に山を見ながらも、年の性なのであろう、長い間体調を崩し、この3ヶ月ほど指をくわえて眺める日々が続いた。 かといって、別段今良くなったわけではないのだけれど、ほんの少し体調が整ったことを言い訳に、また、内が出かけている隙をぬって、これ幸いにと、家を脱走し、山へと出かけたのである。 なんと心弾むことであろうか! 少々天気模様が芳しくはないものの、浮き立つ気持ちを静めながら、いつもの登山道に到着した。 少し登り始めると、飢えた眼にいろいろな物が飛び込んでくる。 オオナナフシがいるかとおもえば、思わず吹き出しそうになる人面虫が足許から私を見上げている。 山道は人が通うから辛うじて道として残っている状態で、もし人が歩かなくなると、途端に草に道は飲み込まれ無くなってしまうに違いない。 日溜まりにはニホントカゲの成体やきんきら尻尾の幼体が夏の日を浴びている。 あえて手入れをしていない山道はまるで小さなジャングルのような風情があり、これを眺めながら、やはり脱走してまで登ってきたことの言い訳をしきりに見つけ出したりしている自分がおかしい。 水飲み地蔵のお堂の入り口に奇妙な生き物と覚しき物がうごめいていた。 うずくまって観察してみると、どうやらこれは生き物らしい! ゾウムシのような昆虫が蜘蛛の巣に引っ掛かったのだけれど、何とか脱走に成功し、いっぱい蜘蛛の糸を体に巻き付けながらもお堂の入り口まで辿り着いたのだった。(帰って調べたら、どうやらアシナガオニゾウムシのメスみたいである!) 彼女は死地からの無事な生還をお地蔵様に感謝するためにやって来たのであろうか! 聞けるものならば、彼女から奇跡の生還の顛末をばじっくりとお聞きしたいものである。 頂上付近ではもう夕刻が迫り始めたためであろう、ヒグラシが涼しげな声を立てている。 石に腰をかけ、水で喉を潤しながら、目を閉じて風のそよぎと生き物たちの声にしばし耳を傾けた。 久しぶりにたっぷりと山を堪能したあと、恐る恐る家に辿り着けば、風呂が沸かれ、冷えたビールがニッコリと私を待っていてくれたのであった。 【PS】 山道を登っていると三人ずれの親子に出会った。 上の写真のようにすれ違うには少々狭かったので道を譲った。 先頭の男の子が帽子を取って「ありがとうございます!」と挨拶をした。 つぎの女の子も、父親も同じように挨拶をして下っていった。
by usasho
| 2007-08-02 22:40
| 自然
|
アバウト
カテゴリ
タグ
里山の味(11)
蝉(5) 木(4) 昆虫(4) 鳥(2) 神様の世界(2) 地上の掟(2) 雀(2) ユーモア(2) 夕焼け(2) 猫(2) 川(1) お菓子(1) ビックリ(1) 花(1) 街造り(1) 岩(1) 乗物の世界(1) 青春の一齣(1) 兎(1) 動物たち(1) 年中行事(1) 夕立(1) 以前の記事
2014年 04月 2014年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 05月 2008年 04月 2008年 01月 2007年 11月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 04月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2005年 11月 お気に入りブログ
メモ帳
【管理人からのお断り】
当サイトでは一切の商業系サイトとのリンクやトラックバックをお断りしております。 従って、上記のリンクやトラックバックはお断りせずに削除させていただきます。 ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||