2006年 04月 23日
雨上がりの八幡社で蛙が虚ろな目をして考え事をしていた。 春先から多忙であったため、今年初めての邂逅である。 八尾に越してきた当初は結構辺りにも自然が溢れ、動植物の観察には事欠かなかったのに、久し振りに散歩してみると、ここにも家が、彼処にも建物がと、記憶の中にあった多くの自然が既に過去の世界へと旅立ってしまっていた。 この境内には多くの楠木等がかつての傍示木として残されており、彼等を中心とした命の体系は実に多くの命を支え育んできた。 少しあたりを歩いてみれば実に多くの命が息づいている。 文字通り、母の木として彼等が守り育ててきた命が永久に栄えることができますようにと祈らざるを得ないし、我々も彼等を慈しみ、共に生きてゆける工夫をする必要があろう。 一本の古い傍示木の切り株の中にキセル貝が食事中である。 この貝を初めて発見したのは小学生の時であり、大変な驚きを以て手に取ったことが今でも昨日のように思い出せる。 何故か隣りに雀の真っ白く曝された骨が転がっており、あまりにも綺麗だったので一緒に家に持って帰り、机の上に置いていたら母に叱られたことがやはり懐かしく思い出された。 【PS】 今朝起きてみると庭で内が昨日の昆虫をつついている! どうしたのだ!と聞くと、ニッコリと振り返って言うには、この虫は花に取り殺されているよ!だって。 走って(走るほども広くはないのに!)見に行くと、花弁が虫を押さえつけて動けなくなり、虫は中ですでに絶命していたのだ。 ああ、美しい花はやはり恐ろしいものだと言うことがよく分かった。
by usasho
| 2006-04-23 10:48
| 自然
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