2006年 06月 05日
以前紹介したことのあるクマゼミがこの六月に入ってもまだ同じ場所に留まっている。 いつ見ても不思議な光景だ。 紅葉を経て雪の降りしきる真冬が訪れ、桜の便りを耳にしていたら最早ツツジが咲く時節となった。 どうみても、はや十ヶ月以上、彼はこの位置に静かに留まり続けていたことになる。 はじめは面白かったので、いろいろな方に話してみた。 しかし、残念ながら興味を懐いて胸躍らせながら跳んでやってきた人はいなかった。 なぜか、反応される方の心の奥底に、「そんなことって、ありえねーョ!」っていう共通項を感じるだけではなく、おまけに冷たい視線に曝される自分に気が付く。 疑いながらもやってきてくれた人はまだいいが、それらは極めて希なだけではなく、それらの人も「ヘェー!いるんだ、本当に!」で会話がそこでほぼ終わってしまうのだ。 でも、それって本当に「有り得なかった」ですか? あなたの心のどこかに跳ぼうとする足や翼を否定し、常識的な世界への安住に浸りきろうとする心の疲れが芽生えていませんか? 死んでしまったとしても、約十ヶ月の長きに渉り、木に留まり続ける蝉がいるのです。 それを正面から見ようとしないあなたの目はもはや節穴になっていませんか。 日常の判断基準が揃ってしまうことにより、ひとびとは常識の世界の虜になってしまいやすいのです。 なぜなら、常識の世界こそは世間を波風なく歩けることを約束してくれそうな一番の保証なのだからです。 あり得るのかどうか、もう一度辺りを見回してみませんか? 【PS】 蝉の斜めアップです。 羽根は結構傷みが激しくなってきました。 眼も汚れて汚くなり、キズがあるのでしょうか。 でも、体の細部に至るまで風雨に曝されながらよく原形を保ったものだと言うことには驚かずにはいられません。 この写真を撮っていると、前を通りがかった人が「何をされているのですか?」と聞いてきたので、「蝉を撮っています。」っとこたえると、「ヘェー!」って言って通り過ぎてゆきました。
by usasho
| 2006-06-05 22:51
| 自然
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里山の味(11)
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